研究発表会

令和5年度研究発表会

開催場所:兵庫教育大学加東キャンパス

日程:2023年11月26日(日)

プログラム

臨時入構許可証

・特別講演「日本型複言語主義教育の提唱」

講演講師:大津由紀雄 先生(慶應義塾大学名誉教授、英語学、認知科学)

 欧州由来のCEFR(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)がいくつかの経路を経て日本にも紹介され、さまざまな形で言語教育に影響を与えています。しかし、一方では、その基盤にある複言語主義についての理解が極めて浅薄で、ごく表面的にCEFRの評価指標を利用するというケースが稀ではありません。他方では、欧州における言語政策としての複言語主義の検討は行われているものの、個の中における複数の言語を関連づける原理が明確にされておらず、複言語主義に基づく言語教育の姿が鮮明に描けていないケースも見受けられます。
 この講演では、複言語主義とはなにかをできるだけ分析的に明らかにした後、その考えを日本での教育に活かす方法について論じたいと思います。

令和4年度研究発表会

開催場所:兵庫教育大学加東キャンパス「共通講義棟104.106.108教室」

口頭発表申込票

プログラム

臨時入構許可証

・特別講演

日程:2022年12月4日(日)15時頃予定

江利川 春雄(和歌山大学 名誉教授)

「これからの英語教育のために過去から学び現状を問う」

 すべての子どもたちに言葉を学ぶ面白さと楽しさを体験させ、平和で民主的な協同社会を担う主体に成長させたい。言葉の教育を、技能・道具主義に矮小化することなく、思考と感性を育て、人間の全面的な発達に寄与するものにしたい。そのために留意すべきことを、主に英語教育の視点から提案します。
 まず必要なのは、歴史から学ぶこと。たとえば小学校英語教育は明治期から実践され、賛否両論を巻き起こしながら、明治末期には英語科が廃止されました。文法訳読よりも会話中心のコミュニケーション重視を主張する意見も明治期からありましたが、成功しませんでした。何が問題だったのでしょう。
 また、英語教育と国語など他教科との連携や、学習者の主体性を重視する指導法も明治期から主張されており、今日に貴重な示唆を与えてくれます。
 次に、教育政策の現状を問うこと。2021年度から実施された中学校の学習指導要領では、生徒が接する英語の語彙が倍増し、内容が一挙に難化しました。上位層に偏った「グローバル人材」育成策が、かえって英語嫌いを増やしていないでしょうか。生徒や教員へのアンケートも踏まえ、現状の問題点を探ります。
 他方で、児童・生徒の主体性を重視し、協同的な学びを取り入れた授業改革がめざましい成果を上げています。実際の授業風景を交えながら現状を紹介します。
 これからの教育にはデジタルやAI(人工知能)の活用は不可避でしょう。しかし、そこには落とし穴もあります。それを踏まえ、AIにはできない異文化理解や協同学習を取り入れた言葉の教育を提案します。

江利川 春雄(えりかわ・はるお) 
 1956年埼玉県生まれ。神戸大学大学院教育学研究科修士課程修了。広島大学で博士(教育学)取得。専攻は英語教育学、英語教育史。現在、和歌山大学名誉教授。日本英語教育史学会名誉会長。学びの共同体研究会スーパーバイザー。
 著書に『英語教育論争史』(講談社、2022)、『日本の外国語教育政策史』(ひつじ書房、2018 *日本英語教育史学会著作賞受賞)、『英語と日本軍』(NHK出版、2016)、『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』(研究社、2015)、『協同学習を取り入れた英語授業のすすめ』(大修館書店,2012 編著)、『受験英語と日本人』(研究社、2011)、『英語教育のポリティクス』(三友社出版、2009)、『日本人は英語をどう学んできたか』(研究社、2008)、『近代日本の英語科教育史』(東信堂、2006 *日本英学史学会豊田實賞受賞)、監修・解題『英語教育史重要文献集成 全15巻』(ゆまに書房、2017〜19)など。

・2021年12月5日(日)令和3年度研究発表会

令和3年度研究発表会

※教室内の定員数の関係で、非学会員の方で、対面での参加を希望される場合のみ、事前の申し込みをお願いします。

参加申込フォーム

プログラム

臨時入構許可証

・特別講演

日時:2021年12月5日(日)15時10分〜(予定)

会場:YouTubeLive会場

玉井 健(神戸市外国語大学名誉教授・高知リハビリテーション専門職大学教授)

「リフレクティブ・プラクティス授業実践研究のための理論的基盤と方法」 (Reflective practice: Theoretical basis and approach for the research of teaching)

教師が自身の授業実践を研究として取り上げたいと考える時どのような方法があるのでしょうか。それは教室内外で起る事象をどのようなものとして捉えるかという捉え方で決定されると言えます。量的研究はなぜ量であり質的研究の質とは何なのでしょうか。こうした疑問も全て事象の捉え方に帰結する疑問です。本講演ではリフレクティブ・プラクティスを題材としつつ授業実践研究方法を支える多様な理論的基盤について考えたいと思います。

授業実践という営みを捉える研究の理論背景を考えるには,私たちが今まで馴染んできた客観性を第一のものとする自然科学的研究法の特徴を理解しつつ,質的研究方法としてのリフレクティブ・プラクティスがどのように位置づけられるのかを対照的に理解する必要があります。それには一旦「そもそも研究とは何か」という原点に立ち返って研究という営為を支える基本概念を確認することが必要になります。多少のまわり道をお許しいただきながら大まかな議論の順序は、研究とは量的研究と質的研究質的研究としてのリフレクティブ・プラクティスとその理論的基盤研究例まとめ、という流れになります。リフレクティブ・プラクティスの理論的基盤については多少哲学的なお話をすることになりますが、それこそは実践研究者が自らの実践にどのように立ち向かうかを指し示してくれるものと言えるでしょう。おつき合い頂けると幸いです。


・2020年11月29日(日)令和2年度研究発表会

(※今年度から年に1回の開催となりました。)
特別講演 前田貞昭(兵庫教育大学名誉教授)
口頭発表申込票
兵庫教育大学言語表現学会2020年度研究発表会プログラム
臨時入構許可証R2.11.29


・2019年9月28日(土)令和元年度第2回研究発表会
特別講演 横川 博一 先生(神戸大学・大学教育推進機構・教授)
プログラム
臨時入構許可証

・2019年7月27日(土)令和元年度第1回研究発表会
懇親会のご案内
プログラム
臨時入構許可証


・2018年9月29日(土)平成30年度第2回研究発表会
特別講演 金水 敏 先生(大阪大学教授)
口頭発表申込票
懇親会のご案内
平成30年度第2回研究発表会プログラム
特別講演概要
臨時入構許可証
・2018年8月29日(水)平成30年度第1回研究発表会
平成30年度第1回研究発表会プログラム
臨時入構許可証
・2017年9月30日(土)平成29年度第2回研究発表会
特別講演 籾山 洋介 先生(名古屋大学教授)
口頭発表申込票
特別講演概要
平成29年度第2回研究発表会プログラム

・2017年7月8日(土)平成29年度第1回研究発表会
口頭発表申込票
懇親会のご案内
平成29年度第1回研究発表会プログラム

・2016年10月2日(日)平成28年度第2回研究発表会
特別講演 鍋島 弘治朗 先生(関西大学教授)
開催のお知らせ
口頭発表申込票
特別講演概要
平成28年度第2回研究発表会プログラム

・2016年7月9日(土)平成28年度第1回研究発表会
口頭発表申込票
懇親会のご案内
平成28年度第1回研究発表会プログラム

・2015年10月3日(土)平成27年度第2回研究発表会
特別講演 定延 利之 先生(神戸大学教授)
開催のお知らせ
口頭発表申込票
平成27年度第2回研究発表会プログラム

・2015年7月4日(土)平成27年度第1回研究発表会
口頭発表申込票
平成27年度第1回研究発表会プログラム
懇親会のご案内

・2014年9月28日(日)平成26年度第2回研究発表会
特別講演 荒川 洋平 先生(東京外国語大学教授)
口頭発表申込票
特別講演案内
平成26年度第2回研究発表会プログラム

・2014年7月5日(土)平成26年度第1回研究発表会
口頭発表申込要領
口頭発表申込票
懇親会案内
平成26年度第1回研究発表会プログラム

・2013年9月29日(日)平成25年度第2回研究発表会
特別講演 本名 信行 先生(青山学院大学名誉教授)
口頭発表申込形式
特別講演案内
平成25年度第2回研究発表会プログラム

・2013年7月6日(土)平成25年度第1回研究発表会
発表申込要領
平成25年度第1回研究発表会プログラム
研究発表会通信第3号

・2012年10月14日(日)平成24年度第2回研究発表会
開催のお知らせ
平成24年度第2回研究発表会プログラム
研究発表会通信第2号

・2012年7月7日(土)平成24年度第1回研究発表会
平成24年度第1回研究発表会プログラム
研究発表会通信第1号

・2011年9月25日(日)平成23年度第2回研究発表大会(ポスター)
特別講演 山梨 正明 先生(京都大学教授)
・2011年7月2日(土)平成23年第1回研究発表会

・2010年10月2日(土)平成22年度第2回研究発表会(ポスター)
特別講演 森山 卓郎 先生(京都教育大学教授)
・2010年7月3日(土)平成22年度第1回研究発表会
特別講演 井上 雅彦 先生(兵庫教育大学教授)

・2009年10月3日(土)平成21年度第2回研究発表会(ポスター)
特別講演 辻 幸夫 先生(慶應義塾大学教授)
・2009年7月4日(土)平成21年度第1回研究発表会